発信者情報開示請求とは?


1.発信者情報開示請求とは?


インターネット上における誹謗中傷等の口コミ・投稿は、その多くが匿名でなされます。したがって、投稿者に対して名誉毀損等を理由に損害賠償請求等を行いたいと思っても、ただちには損害賠償請求訴訟等はできず、まず、前提として、「誰がその口コミ・投稿をしたのか」を特定する必要があります。

この投稿者(発信者)の特定のプロセスを、「発信者情報開示」と呼びます。


2.発信者情報開示請求の方法は?


発信者情報開示請求の方法は、誹謗中傷等の口コミ・投稿がされた媒体(グーグル口コミ、転職会議、2ちゃんねる、爆サイ.com等々)や、投稿者(発信者)が利用したプロバイダごとに異なりますが、おおよそ以下の流れで行います。

 

口コミ・投稿にかかるIPアドレス等の特定

     

IPアドレス等からアクセスプロバイダ(AP)(例:KDDIやソフトバンクなど)を特定する

     

APに対し、発信者情報開示請求をする

 (※)202210月から、上記の従来の手続の簡略化等を目的として、発信者情報開示命令事件という新たな裁判手続がスタートしました。ただし、事案によっては、従来の手続よりも早いとは限りません。新法での発信者情報開示命令事件について、詳細はこちら。


3. ❶~❸の具体的な方法は?


従来の手続(上記❶~❸)の具体的手順は次の通りです。

 

❶ IPアドレス等の特定

まず、コンテンツプロバイダ(CP)(グーグル口コミ、転職会議、2ちゃんねる、爆サイ.com等のウェブサイトの運営主体)から、投稿者のIPアドレス等の開示を受ける必要があります。

IPアドレス等の開示請求には、次の方法があります。

⑴ 任意請求

⑵ 仮処分

 

⑴ 任意請求

これは、CPに対し、任意にIPアドレス等の開示を請求するものです。

ウェブサイトごとに指定された方法か、任意の開示請求書を郵送する方法で請求します。具体的な方法は、ウェブサイトごとに異なります。

 

⑵ 仮処分

これは、仮処分という裁判手続によって開示請求をする方法(「仮処分」)です。仮処分は弁護士に依頼するほかありません。

仮処分は、(i)上記⑴の任意請求の後に行うこともできますし、(ii)任意請求をせずに最初から行うこともできます。もっとも、開示請求は時間との勝負であることから、(i)任意請求の後に仮処分をする方法だと、間に合わなくなる可能性が高まります。そのため、(ii)最初から仮処分をするのが得策です。

 

⑶ どちらを選択すべきか

どの方法を選択するかは、具体的なウェブサイトや口コミ・投稿の内容等を踏まえて検討することが重要ですので、まずは(顧問)弁護士に相談することをお勧めします。

 

❷ アクセスプロバイダ(AP)の特定

開示を受けたIPアドレス等を元に、当該口コミが投稿された際に経由したアクセスプロバイダ(AP)(例:KDDIやソフトバンクなど)を特定します。

APの特定には、「whois」という、IPアドレスからAPを割り出せるウェブサイトを使用しますので、原則として、簡単に特定できます。

 

❸ APに対する発信者情報の開示請求

上記❷で特定したAPに対し、当該口コミの投稿者の情報(氏名、連絡先等。これがいわゆる「発信者情報」です。)の開示を請求します。なお、後述の通信ログの保存期間に注意する必要があります。

発信者情報開示請求には、次の方法があります。

⑴ 任意請求

⑵ 訴訟

 

⑴ 任意請求

これは、APに対し、任意に発信者情報の開示を請求するものです。

APが任意で発信者情報を開示することは多くありません。

 

⑵ 訴訟

これは、訴訟によって開示請求をする方法です。

任意での開示がなされない場合、発信者情報開示請求訴訟を提起し、認容判決を得ることが必要となります。

 

⑶ どちらを選択すべきか

どの方法を選択するかは、APごとに異なります。実務上、(2)を選択せざるを得ない場合が多いといえますが、選択については、(顧問)弁護士に相談することをお勧めします。


4.注意点(1):通信ログの保存期間とは?


通常、IPアドレス等から特定したAPは、契約者情報として当該口コミに関する発信者情報を保有しています。もっとも、ほとんどのAPは当該口コミに関する通信ログを一定期間(3ヶ月程度のAPが多いです)で消去してしまいます。通信ログが消去されると、当該口コミの投稿者を特定できず、発信者情報の開示を受けることができなくなります。

 

そこで、APを特定した時点で、APに対して通信ログの保存を請求すべきです。

通信ログの保存請求には、次の方法があります。

⑴ 任意請求

⑵ 仮処分

 

⑴ 任意請求

これは、APに対し、任意に通信ログの保存を請求するものです。

 

⑵ 仮処分

これは、仮処分という裁判手続によって保存請求をする方法(「仮処分」)です。

仮処分は、(i)⑴の任意請求の後に行うこともできますし、(ii)任意請求をせずに最初から行うこともできます。もっとも、保存請求は時間との勝負であることから、(i)任意請求の後に仮処分をする方法だと、間に合わなくなる可能性が高まります。そのため、(ii)最初から仮処分をするのが得策です。

 

⑶ どちらを選択すべきか

どの方法を選択するかは、APごとに異なります。選択については、(顧問)弁護士に相談することをお勧めします。





5.注意点(2):新法との関係


202210月から、上記の従来の手続の簡略化等を目的として、発信者情報開示命令事件という新たな裁判手続がスタートしました。ただし、事案によっては、従来の手続よりも早いとは限りません。新法での発信者情報開示命令事件について、詳細はこちら。

 

基本的には、新法を用いることが多いと考えますが、新法または旧法の選択については、(顧問)弁護士に相談することをお勧めします。

6.事例の紹介と媒体ごとの請求方法


発信者情報開示請求の事例の紹介
発信者情報開示請求の裁判例等、具体的な事例をご紹介いたします。



  


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