事例の紹介(裁判例)

⑶東京地判平成27年1月15日(平成26年(ワ)第23771号)

本件においては、インターネット上の掲示板になされた以下の匿名の各書き込みによって名誉が毀損されたものとして、各書き込みがなされたスレッド(以下、「本件スレッド」といいます。)が存在するウェブページ全体(以下、「本件ウェブページ」といいます。)の削除請求をできるかどうかが争点となりました。

【問題となった表現】

書き込み1:「まるでヤクザの儀式」「良い年してヤクザアピール」「反社会的勢力に所属していた」

書き込み2:「インテリジェンスと組んで詐欺的行為をしている」「闇金グループや振り込め詐欺グループなどがよく使う肩書き」

書き込み3:「クレジットカード作らせてまで契約させる」「消費者にクレジットカードを作らせて高額の決済させる」

 

【裁判所の判断】

 まず、本判決は、各書き込み及び本件スレッドにつき、以下のとおり、原告の社会的評価を低下させるものとして、原告の名誉を毀損し、人格権を侵害するものであることを認定しました。

 「被告は,これらについて,一般人が注意をもって読めば,原告の社会的評価を低下させるものではないとするが,その記載は,その前の記載とあわせてみれば,原告がやくざまがいの集団であり,原告が詐欺を働いているかのように読め,不必要なクレジットカードの発行をさせて高額な契約をさせている会社であるとの事実が摘示されているということができ,これらにより原告の社会的評価を低下させる事実が摘示されたといえる。」

そうすると、「本件においては,現状において,本件スレッドの存在は原告の社会的評価を低下させるものであり,原告の名誉を毀損し,人格権を侵害するものであるといえる。」

 そのうえで、以下のとおり、各書き込みがなされた本件ウェブページ全体の削除請求を認めました。

「本件スレッドがある限り,前後の文脈から,原告の社会的評価の低下が続くと考えられるごとに加え,被告は,本件スレッドを個別に削除する権限はなく,また,名誉を毀損するものであれば,被告のレンタルサーバサービスの契約に関する所定の約款に基づき,サービスの一時停止やサービスの利用制限をすることができるとしているのであるから,本件については,本件ウェブページを削除することによって人格権侵害を防止することが認められるというべきである。」

 

 

プロフィール

弁護士 田村裕一郎
多湖・岩田・田村法律事務所パートナー

(弁護士登録番号:30183)

【保有資格】
弁護士・ニューヨーク州弁護士

【所属】
第一東京弁護士会

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