削除は、任意請求か?仮処分か?どちらが良いのか?

1. 誹謗中傷を放置すると、どうなる?


企業の経済活動が大きく損なわれます。

 

例えば、人材確保困難な時代にあって、企業は、優秀な人材を確保するため、次のような企業努力を行っています。


自社を理解してもらうための、採用オウンドメディアの構築・運用

求職者に選択していただくための、採用ブランド価値の維持・向上

求職者に対する説明をわかりやすく行うための、各種資料の作成・ブラッシュアップ

採用ルートの多様化(例:リファーラル採用)のための各種施策

 

こういった努力が、例えば「転職情報サイトへの口コミ」によって、一気に減殺されます。

 

また、企業は、商品やサービス市場において、並々ならぬ努力を積み重ねています。

 

既存の商品・サービスの質と量の維持・向上

新たな商品・サービスの開発・試作・市場投入

 

これらが、グーグル口コミなどにより、全て水泡に帰す可能性すらあります。


2. 削除請求とは?


ひとたびインターネット上で誹謗中傷等の口コミ・投稿が書き込まれると、当該口コミ・投稿がインターネット上に流通し続ける限り、被害者の権利侵害の状態は、いつまでも継続することになります。

しかし、多くの場合、被害者は自ら当該口コミ・投稿を削除する手段を持っていません。

そこで、当該口コミ・投稿を削除する権限を持つ者(掲示板の管理者など)に対し、削除を求めることになります。

なお、「Yahoo!」や「Google」といった検索エンジンの検索結果に、誹謗中傷等を含む投稿が表示される場合、これらの検索エンジンに対して、こういった検索結果の削除請求を行うこともあります。

この削除を求めるプロセスを、「削除請求」と呼びます。


3. 削除請求とは?


削除請求の方法は、主に、次の2つです。

⑴ 任意請求

⑵ 仮処分

 

   任意請求

これは、掲示板等の管理者に対し、裁判手続外で口コミ・投稿の削除を請求するものです。

ウェブサイトごとに設けられた削除申請のページを用いる方法や、送信防止措置依頼書を郵送する方法などがあります。具体的な方法は、ウェブサイトごとに異なります。

自社で任意請求をする場合は、各ウェブサイトを見ながら指定の方法に沿って行うのが良いでしょう。

 

⑵ 仮処分

これは、仮処分という裁判手続によって削除請求をする方法(「仮処分」)です。仮処分は弁護士に依頼するほかありません。

請求が認めれれば、裁判所が掲示板等の管理者に対し削除を命じます。また、仮処分手続の中で和解により削除が達成される場合もあります。


4. どちらを選択すべきか?


任意請求と仮処分には、メリット・デメリットがあります。

 

手間や費用の面では、⑴任意請求の方が少なくて済むといえます。弁護士に依頼せずに自社だけで行う場合は、弁護士費用もかかりません。

 

他方で、⑴任意請求に不慣れなためかえって自社の時間を使ってしまう場合や、⑴任意請求をしても削除に応じてもらえず⑵仮処分に移行する場合には、最初から⑵仮処分を行う方が結果的に時間や費用が節約できる可能性もあります。また、⑴任意請求で不十分な結果に終わってしまい、その後⑵仮処分をしようとしたときに支障が生じる場合もあります。

 

どの方法を選択するかは、具体的なウェブサイトや口コミ・投稿の内容等を踏まえて検討することが重要ですので、まずは(顧問)弁護士に相談することをお勧めします。

 



5. 事例は?



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