事例の紹介(裁判例)

(4)東京地判平成28年12月12日(平成28年()第31032号)

本件においては、インターネット上のウェブサイト「転職会議」に投稿された以下の匿名の記事によって、原告らの名誉権が侵害されたかが争点となりました。

 

【問題となった表現】

本件投稿:

「【良い点】

社員にはいい人が多い。

こんな会社もあるのだとある意味いい経験になった。

【気になること・改善したほうがいい点】

離職率が非常に高く,社長の気分によりいきなりクビになる人を何人も見てきた。また辞めたくても脅されて辞めれない人もいた。

全体的に見て明らかにワンマン企業である。

福利厚生などは全く整っておらず,ボーナスは出るが寸志。長く勤めたい人には向いていない。

以上」

 

【裁判所の判断】

まず、本判決は、本件投稿につき、以下のとおり、原告の社会的評価を低下させるものであると判断しました。

「一般読者の普通の注意と読み方を基準として判断すれば,本件投稿のうち「社長の気分によりいきなりクビになる人を何人も見てきた」との部分は,原告においては社長の恣意的判断による即時解雇が少なからず見られ,労働法制が遵守されていないとの印象を与えるものであって,原告の企業としての社会的評価を低下させるものといえる。同様に,「辞めたくても脅されて辞めれない人もいた」との部分は,原告においては脅迫による退職妨害も見られ,やはり雇用管理が不適切な企業であるとの印象を与えるものであって,同様に原告の社会的評価を低下させるものといえる。

 被告は,「社長の気分によりいきなりクビになる人を何人も見てきた」との部分につき,どのような理由ないし意味で原告の社会的評価を低下させているのか不明である,「辞めたくても脅されて辞めれない人もいた」との部分につき,告知されていた害悪の具体的内容が記載されていないとして,これらの各部分が原告の社会的評価を低下させるものとはいえないと主張するが,告知されていた害悪の具体的内容の記載の有無等にかかわらず,これらの部分は上記のとおりの印象を与えるものと解されるのであるから,この点に関する被告の主張は採用することができない。」

そのうえで,本件投稿の送信に違法性阻却事由の存在はうかがわれないとし,原告の発信者情報開示請求を認めました。

プロフィール

弁護士 田村裕一郎
多湖・岩田・田村法律事務所パートナー

(弁護士登録番号:30183)

【保有資格】
弁護士・ニューヨーク州弁護士

【所属】
第一東京弁護士会

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